「勉強の仕方が分からない」は危険信号

まもなく中学生の1学期中間テストです。2年生・3年生たちは過去の経験から、やらなければならないことを理解していると思われます。

しかし、中には経験を活かしていない人もいたりして、そういう人たちに多いのが

 

「勉強の仕方が分からない」

 

というセリフです。このセリフに「あぁ、ウチの子がそんなこと言ってたなぁ。」という保護者様。これチンパンジーが車を運転するくらい危険です。(もしかしてめちゃくちゃ運転上手なチンパン君がいたらすみません。)

 

毎日学校に行き、クラスでみんなと同じ教科書を使って授業を受けて、自分だけやることが分からないというのは相当に異常な事態です。この異常な事態の原因として考えられるのは、大まかに下記の2点です。

 

①(自分では授業を聞いているつもりだが)授業に参加していない。

②そもそもの問題として小学校内容から大きな穴がある。

 

順番に説明していきます。

 

①まずお子様の「勉強が分からない」に対して、多くの保護者様は「ちゃんと学校の授業聞いてるの?」というテンプレの返しから始まります。そこで、「いや?聞いてないよ?」と返事をするお子様は皆無に等しいかと思われます。

子供の立場からすれば単純に自分の首がしまるだけですから、先生の説明中に

 

「今日の給食なんだっけ?お?プリンあるやん♪」

 

「外の体育楽しそうだなぁ~」

 

などと思っていたらチャイムが鳴ったという日々のループについては絶対にふれません。

教室にいて、椅子に座っているだけの日々で勉強ができるようになるのであれば、誰も苦労はしません。

 

②次に、「小学校内容からの知識の穴」について。これは①の状態が小学校6年間続いてきた究極に危険な状態です。そもそも「聞く」ということの練習からできていないので、学校の先生方がどれほど懇切丁寧に説明をされても、指示通りの勉強をしてもらうことは、ザルで水をくむよりも厳しいものがあります。同志会ごときではお力になれそうにありません。

 

なお、中学生になって急に「勉強の仕方が分からない」というセリフが出始めた場合は、小学校の授業ペースと中学校の授業ペースの違いに戸惑いがあるのかもしれません。

巷では中1ギャップとか呼ばれているアレです。こういう場合は○○ゼミとか、○○会、○○塾などで勉強を強制的にやる時間をとると解決することもあります。(※必ず解決するわけではありません。)

「勉強の仕方が分からない」という言葉は「単に勉強をやっていないから、やり方なんて分かるはずもない。」という言葉の方が適切な表現になる方が多いです。

 

さらに、中間テストが返却されてきて「もう1回自分でやってみる」というセリフ。だいたい時間の無駄に終わります。そもそもの問題として「うまくいかなかった」人が、自分だけで次は上手くやれるようになりますか?自分の課題を明確に分析して改善できるような人は1回目からミスしませんし。

それに、小さい頃の自転車や逆上がりの練習も、普通は大人の手を借りて、少しずつできるようになったはずでしょう?突然自分だけの力で逆上がりができるようになった人は少ないはずです。

 

勉強だろうがスポーツだろうが、自分でうまくできなければ周囲の人に助けを求めるのも戦略として間違っていないはずですよ。